レンタルスペース事業は、ゼロから作るより「稼働中のスペースを買う」ほうが早く、初日から売上が立ちます。買う前に見るべきは「家賃比率」と「補正した年間利益(EBITDA)」、価格の目安は「EBITDA×2〜3倍+設備・什器の時価」(投資回収2〜3年)。案件は公開中の案件一覧で探すか、希望条件を登録して非公開案件の紹介を受けるのが近道です。登録・紹介・相談は無料、手数料は成約時のみ(10%・最低10万円)です。
📖 目次
なぜ「ゼロから作る」より「買う」が早いのか
レンタルスペースや民泊を始めたい人の多くは、まず「物件を借りて、内装を作って、予約サイトに載せる」というゼロからの立ち上げを考えます。もちろんそれも一つの道ですが、実際にやってみると時間がかかります。用途に合う物件(用途地域・管理規約・貸主の許可)を探すだけで数ヶ月、内装・什器の準備でさらに1〜2ヶ月、予約サイトに掲載してからレビューが溜まって検索上位に出てくるまでに、また数ヶ月。売上が安定するまで半年〜1年かかるのが普通です。
一方、稼働中のスペースを買って引き継ぐと、この期間をほぼ丸ごと省略できます。
- 物件探しが不要:すでにレンタルスペースとして使える契約・許可・立地が揃っている
- 内装・什器が揃っている:撮影機材や家具・家電をイチから買い揃える手間と費用を圧縮できる
- 予約サイトの掲載・レビューが蓄積済み:プラットフォームによってはレビューやリピーターごと引き継げる
- 初日から売上が立つ:すでに入っている予約と、月別の実績データを見たうえで判断できる
いちばん大きいのは最後の点です。ゼロから作る場合、「この立地・この内装で本当に予約が入るのか」は掲載してみるまで分かりません。買う場合は、過去の売上・稼働率という「答え」を見てから投資できる。私たち自身も既存スペースを買って運営してきた立場から言うと、この「答え合わせ済みで始められる」ことが買収の最大の価値だと感じています。レンタルスペースの収益構造そのものを先に知りたい方は「レンタルスペース経営は儲かる?収益構造」、ゼロから作る場合の初期費用は「初期費用と収支シミュレーション」で比較できます。
案件の探し方|公開案件と非公開案件
「買いたい」と思っても、レンタルスペースの売り案件はまだ市場に多くありません。探し方は大きく2つです。
① 公開案件を一覧から探す
SpaceBatonの案件一覧には、売り手の了承を得たうえでエリア・用途・概算の売上や譲渡希望価格を公開している案件が並びます。レンタルスペース(パーティー・撮影・会議)、民泊、貸し会議室、レンタルスタジオなど用途別に見られるので、まずはここで「どんな案件がいくらで出ているか」の感覚をつかむのがおすすめです。気になる案件があれば、そのまま問い合わせできます。
② 非公開案件は「希望条件を登録」して紹介を受ける
実は、売り手の多くは屋号や所在地を公開したがりません。今も稼働している店の売却を知られると、利用者や貸主、従業員に影響が出るためです。そうした案件は一覧に載せず、非公開案件として、条件の合う買い手候補にだけご紹介しています。希望条件(エリア・用途・予算・希望時期)を登録しておくと、合う案件が出たときに連絡が届き、NDA(秘密保持契約)締結後に詳細資料を見られます。登録は無料で、「まだ買うと決めていない」段階でも問題ありません。
事業承継プラットフォームとの違い
一般的な事業承継・スモールM&Aのプラットフォームにも、まれにレンタルスペースの案件が出ます。ただ、飲食や美容、ECなど幅広い業種が混在するため、レンタルスペース特有の論点——予約サイトのレビュー引き継ぎ可否、家賃比率、無人運営の仕組み、原状回復条件——を整理した情報が載っていないことが多いのが実情です。SpaceBatonはこの業種に特化しているため、案件情報の粒度が最初から「レンタルスペースを買う人が知りたい形」になっています。全国対応(東海・関東・関西中心)です。
買う前に見るべき5つの数字
案件を見つけたら、雰囲気や内装写真より先に数字を見ます。私たちが自社で買収するときも、必ずこの5つを確認しています。
1. 家賃比率
売上に対する家賃の割合です。目安は家賃が売上の3割以内、予約サイト手数料を引いた純売上の半分以内なら健全。家賃比率が高い店は、稼働率を上げてもなかなか手残りが増えません。逆に家賃比率が低い店は、多少稼働が落ちても耐えられる、買い手にとって安心な案件です。
2. 補正EBITDA(実質の年間利益)
売上から家賃・予約サイト手数料・清掃費・光熱費・通信費・消耗品などの経費を引いた年間の手残りです。売り手が出す数字には、オーナー自身が清掃していて人件費が入っていない、私物の減価償却が混ざっている、といった「補正すべき項目」がよくあります。自分が運営したときの経費構造に置き換えて計算し直すことが重要です。
3. 月別稼働と季節性
年間合計だけでなく、月別の売上と稼働率を12ヶ月分以上見ます。パーティー系は年末や春に強く、撮影系や会議室は平日と休日で動きが違います。「繁忙期だけの数字を見せられていないか」「平常月でも家賃を払って手残りが出るか」を確認しましょう。
4. 予約サイト別の売上比率と手数料
売上がどの予約サイト経由かの内訳です。特定のプラットフォームに9割依存している場合、そのサイトの手数料改定やアカウント引き継ぎ不可のリスクが直撃します。各サイトの手数料率も含めて、純売上ベースで見るのが基本です。
5. レビュー・アカウントの引き継ぎ可否
予約サイトのアカウントは直接譲渡できず、新オーナーの新アカウントへ載せ替えるのが原則です。このときレビューやお気に入り(リピーター)を引き継げるかはプラットフォームによって異なります。引き継げない場合は、買った直後は検索順位が下がり、売上が一時的に落ちる前提で価格を考える必要があります。売り手側の整理は「レンタルスペースの譲渡ガイド」にも詳しくまとめています。
価格の妥当性の見方(相場式)
提示された譲渡価格が高いのか安いのか。基本の考え方はこの式です。
- 倍率2〜3倍=投資額を2〜3年で回収できる水準。これより高い倍率なら、回収に時間がかかる理由(立地・契約条件・仕組み化の度合いなど)を売り手に確認しましょう。
- 設備・什器の時価=購入額の3〜5割が目安。撮影機材・家具・家電・防犯カメラなどの現物価値で、資産目録と実物を照合して評価します。
たとえば補正EBITDAが年間100万円、什器の時価が50万円なら、目安は250〜350万円程度。1室規模のスペースでは数十万円〜300万円台が中心です。この式に当てはめて、提示価格が「何年で回収できるか」を自分で計算できれば、交渉のテーブルにつけます。逆に、利益が薄くても立地・内装・契約条件が良い案件は、什器の時価とレビューの価値で値段がつくこともあります。買う側にとっては、「自分ならもっと稼働を上げられる」と思える案件がいちばん面白い買い物です。集客の考え方は「レンタルスペース集客ガイド」にまとめています。
デューデリジェンス|契約・許認可・原状回復の確認
数字の妥当性が見えたら、契約と実物の裏取り(デューデリジェンス/DD)です。ここを飛ばすと、買った後に「聞いていた話と違う」が起こります。
- 数字の裏取り:予約サイトの管理画面の実データ、通帳の入金履歴、家賃の支払記録と、開示された月別P/Lが一致するか。事業譲渡契約に表明保証条項(開示内容が事実と異なれば損害賠償を請求できる条項)を入れておくと安心です。
- 賃貸借契約の承継可否と貸主承諾:レンタルスペースは賃貸で借りて運営するのが前提です。賃貸借契約を名義変更で引き継げるか、貸主・保証会社の承諾が得られるかが最重要。承諾が取れなければ買収そのものが成立しません。用途(レンタルスペース・民泊としての利用)が契約上・管理規約上許可されているかも必ず書面で確認します。
- 許認可:民泊の場合、住宅宿泊事業の届出や旅館業の許可は原則として買い手が自分の名義で取り直す必要があります。前オーナーの届出をそのまま引き継げるわけではないので、取得までの期間と要件を事前に確認しましょう。
- 消防・設備:消防設備(消火器・誘導灯・火災報知器など)の設置状況と点検記録、用途変更の要否、近隣トラブルの有無。
- 原状回復条件:将来自分が退去するときに、どこまで原状回復が求められるのか。前オーナーが内装をどこまで変えているかで、退去時のコストが大きく変わります。
細かいことに見えますが、私たちが買収した際も、契約書と管理規約の読み込みにいちばん時間を使いました。分からない点は仲介を通して売り手に遠慮なく聞いてください。誠実な売り手ほど、この段階での質問を歓迎します。
買収の流れ(7ステップ)
問い合わせから引き継ぎ完了までの流れを整理します。案件によりますが、スムーズに進めば1〜2ヶ月程度が目安です。
私自身が既存スペースを買ったときの体験は、運営者のnote「レンタルスペースを買ってみてわかったこと」にも書いています。買った後の運営の全体像は「レンタルスペース運営の教科書」をどうぞ。
資金と融資
1室規模なら数十万円〜300万円台が中心なので、自己資金で買われる方が多いのが実情です。ただし譲渡価格のほかに、次の費用も見込んでおきましょう。
- 保証金・敷金:賃貸借契約を名義変更で引き継げれば新規の差し入れが不要な場合もあるが、新規契約になる場合は必要
- 名義変更・契約に伴う手数料:貸主・保証会社・保険などの切り替え費用
- 運転資金:買収直後は予約サイトのアカウント切り替えで一時的に売上が落ちることがあるため、家賃2〜3ヶ月分程度は手元に
- 仲介手数料:SpaceBatonの場合、成約時に譲渡価格の10%(最低10万円)
融資については、日本政策金融公庫などの創業・事業承継に関連する融資制度を検討できる場合があります。既存事業を引き継ぐ形は、ゼロからの創業に比べて「実績データがある」という点で事業計画を組み立てやすいのは事実です。ただし審査は個別の事業計画や信用状況によるため、必ず通るとは言えません。融資を前提に考える方は、資料開示の段階で早めに金融機関へ相談し、売り手から受け取る月別実績を事業計画の裏付けに使うことをおすすめします。
SpaceBatonで買うメリット
SpaceBaton(スペースバトン)は、レンタルスペース・民泊・貸し会議室・レンタルスタジオに特化した小規模M&Aの仲介サービスです。運営は株式会社VMK(名古屋)、代表の田中優大自身がスペースを運営し、自社でも既存スペースを買って運営してきました。
- 完全成功報酬:買い手手数料は譲渡価格の10%(最低10万円)。希望条件の登録・案件紹介・相談は無料で、成約まで0円です。
- 非公開案件の紹介:一覧に載らない案件を、希望条件に合わせてご紹介。詳細はNDA後に開示します。
- 運営者目線での目利き:家賃比率・補正EBITDA・レビュー引き継ぎ可否など、自分たちが買うときに見る視点で案件情報を整理してお渡しします。
- 引き継ぎの伴走:契約・名義変更・予約サイトの載せ替え・約1ヶ月の引き継ぎ期間まで、売り手と買い手の間に立って進めます。
実際の成約事例や進行中の案件は成約実績・事例で、募集中の案件は案件一覧でご覧いただけます。
条件に合う案件を、無料でご紹介します
エリア・用途・予算・希望時期を登録するだけ。非公開案件も含めてご紹介します。
登録・相談は無料、手数料は成約時のみ(10%・最低10万円)です。